ARTICLE テーマ:ブランディング (男性スタイリスト編)
『KENSEI美容室』大倉山店店長 松岡 騎士
/Vol.8
集客、宣伝、リピートにつなげるのは必須の時代
松岡 騎士 Matsuoka Naito
Matsuoka Naito
『KENSEI美容室』大倉山店店長。
1988年7月9日生まれ。神奈川県出身。
メンズパーマやブリーチカラーに定評があり、
SNSを駆使したブランディングで
学生から大人世代まで幅広い層のお客様を持つ。
常に情報を発信し続けることで得られたこととは…。
目次
- Topic1.
大人世代の白髪ぼかしにブリーチが活躍 鉄板レシピで濁りのないカラーに - Topic2.
複数のSNSを毎日投稿。DMにも返信し、お客様とつながることを大切に - Topic3.
ブログも動画も、できることは全部やる 継続に勝るものはない - Pick up.
私の美容師ライフの7ルール
1
ブリーチが活躍
鉄板レシピで
濁りのないカラーに
『THROW』のモノトーン、ナチュラル、アッシュ、ヴァイオレットです。暖色系にする時は『tintbar』を使います。大人女性にも『tintbar』は人気で、ベリーベリーピンクは肌色も明るく見えるので好評です。
混ぜすぎないことが大事です。複数の色みを混ぜすぎると色が濁ってしまうので、僕は基本、3色で色を構成し、最大でも4色までにしています。ブリーチを使って18レベル以上までトーンアップし、そこにミルクティやグレージュなど希望の色を入れていくと、濁りのない透明感のあるカラーになります。ミルクティの場合はナチュラル:モノトーン=3:1、グレーなどの無彩色にしたい場合は、モノトーン:ナチュラル=3:1にするとキレイに表現できます。僕の鉄板レシピですね。『THROW』のモノトーンやナチュラルをうまく組み合わせると、透明感のあるカラーにできるのでおすすめです。
2
DMにも返信し、
お客様とつながることを大切に
僕は基本的にお客様とはSNSでつながっておくようにしています。お客様がスタイルを気に入ってくれれば、Instagramのストーリーズに上げてくれたり、「周りからの評判、最高です!」とメンションをつけてくれたりするので、それを見ればお客様の反応を知ることができます。SNSは、Instagram、Facebook、Twitter、TikTok、YouTube、ブログ、すべて活用しています。それぞれアカウントを持ち、毎日投稿しながらたくさんの人の反応をチェックするのは、正直しんどいと思うこともあります。しかしこれも仕事の1つと捉え、お客様とのコミュニケーションツールとして活用できれば費用もかからず、色々な効果を得ることができるのではないかと考えています。
YouTubeとTikTokは火曜日(定休日)以外の毎日、他は365日毎日投稿しています。お客様の写真や動画を撮らせていただいて投稿することが多いのですが、なるべくサロンワークの合い間に投稿するようにしています。夜は家族と過ごす時間なので、スマホには極力触らないようにしたいんです。
僕のInstagramを見て「こういうスタイルにしたいのですが、どうすればいいですか?」とDMをいただいて、DMでカウンセリングが始まることもあります。その中で、具体的な施術内容や時間、料金なども詳しくお伝えし、一度来店していただいて、SNSで反応が良ければフォローさせていただくという流れで、新規のお客様に来ていただくことも結構あります。お客様は来店する前に施術内容や時間、料金まで知ることができるので安心ですし、料金が高いという印象を持つ方も少ないと感じています。「この間買ったスタイリング剤の使い方を教えてください」など、とにかくDMが多いので返信するだけでも大変ですが、全部、答えています!
3
できることは全部やる
継続に勝るものはない
僕はパーマが得意なのでパーマの記事が多いのですが、ヘアケアやカラーなどの記事も混ぜてテーマが偏らないようにしています。b-ex journalの記事をきっかけに自分の個人ブログのPVも上げることができたのですが、自分のブログとb-ex journalの記事内容がかぶらないようには気をつけています。僕の記事で1人でも多くの方の悩みを解決できればいいなと思っているのですが、当たるかなと思って書いたものが全然ヒットしないということは日常茶飯事です(笑)。あえて似たような記事を書いて、投稿する時間をずらして投稿してみることもあります。あまり細かいことは気にせず、とにかく書き続けることが大事だと思っています。
「インスタ360GO」という小型カメラを首の下あたりにつけた状態で施術をすると、僕の手元の撮影が簡単にできます。カット、カラー、スタイリング、すべてそれで撮って、専用のアプリで編集し、最後にテロップを入れて完成です。それをInstagramに投稿しているのですが、その動画を1分くらいにまとめ、YouTubeにも投稿しています。他店の方が見ても全然OKです。また、モデルさんを動画で撮って、動くヘアカタ的にまとめることもあります。SNSはブランディングに欠かせないツール。圧倒的な情報量の発信を続けることは必須です。継続に勝るものは他にありません。これからも情報を発信し続けて、地域一番店を目指していきたいです。
7ルール
トレーニングをする
お客様からジムに一緒に通いましょうと言われ、断れず…(笑)ベンチプレスなどをやっているのですが、そのお客様は本格的に鍛えている方なので「よく僕のトレーニングについてこれますね」と褒められています。夜は1人で行くのですが、美容師は体が資本なので、いいトレーニングになっています。
発信する
カットの時間枠を1時間で取っているのですが、カットの最終受付を16時にし、17時にはサロンワークを終え、18時の営業終了までの1時間はすべてSNS投稿の時間に当てています。最近は便利なアプリがあるので、写真も動画も簡単に自分で編集できるので助かっています。
スマホで作業をしない
夜は家族と過ごす時間と決めています。家でスマホに触ることもありますが、長時間触り続けることはしません。子どもからは「パパ、スマホばっかり!」と言われてまして。辛いですよね。17~18時というと、学校や会社から帰宅する途中の時間なので、そこで投稿して見てもらおうと考えています。
最新のスタイルを研究する
僕はメンズのお客様も多いので、最近人気のフェードカットの勉強をしています。ゼロミリでアンダーを刈り上げるスタイルなので、バーバーの理容師さんのフェードカット動画をよく見て研究しています。僕も施術動画を投稿していますが、こういう投稿があるのは本当にありがたいです。
研究をする
b-ex journalの本田晋一さんなど色々な方のブログを見て「なるほど、僕だったらこうかな?」などと考えています。僕の鉄板レシピに『THROW』のスモークを5%、10%混ぜたらどうなるか?とか。スタッフの頭を4分割して塗り分け、1カ月後の色持ち具合まで観察して試したりしています。
パーマ液に水を混ぜたらどうなるのか?を研究しています。たとえばハイダメージの場合はパーマ液と水をどれくらいの割合にすればいいかを探っています。今はとても良い処理剤がたくさん出ているので、よりダメージが少なく綺麗にパーマをかけれる方法がないかを検証しています。
b-ex journalの方たちは個人ブログもやっている方が多く、色々読ませていただいています。特に岩田考司さんのブログはほぼ毎日、全部読んでいます。岩田さんと本田さんが主宰しているオンラインサロン「ルーティン」にも入っているのですが、入っていなければこんなにSNSを継続できなかったかもしれません。
僕は単品のカラーはあまりしないので、たいていの場合ブリーチを使うのですが、最近は大人の女性にブリーチカラーを提案することが多いです。白髪をぼかすためのハイライトやインナーカラー、毛先カラー、前髪だけメッシュを入れるなどのデザインが人気で、若い世代よりもむしろ大人世代のほうが遊び心があり、髪が傷むことへの抵抗感も少なく、好奇心のほうが大きい印象です。とはいえある程度の髪への負担はありますから、カウンセリングで施術内容やケアの仕方などについてしっかりお伝えしています。