ARTICLE テーマ:店販特化
『The Light by Astraea』代表 藤嶋 崇
/Vol.14
そのためにはまず技術を完璧にすることが大事
藤嶋 崇 Fujishima Takashi
Fujishima Takashi
『The Light by Astraea』代表。
1986年2月12日生まれ。福岡県出身。
FRBビューティーカレッジ美容専門学校卒業。2店舗を経て 2017年、『The Light by Astraea』の代表に就任。
アシスタント時代から高い店販売上を継続。
2020年12月には店販売上約150万円を記録するなど、店販を含めた高い客単価を実現している。
何でも販売できるのでは…!
と周囲を唸らせるほど、店販の販売力に定評のある藤嶋さん。
アシスタント時代から今日まで、藤嶋さんが考え抜いた
数々の店販販売術をたくさん教えていただきました。
目次
- Topic1.
しっかり成分や効果を説明することと、店販を売る「ムード」が肝心 - Topic2.
買う、買わない、を決めつけず、誰にでもアプローチする - Topic3.
美容家電の販売強化のために分割払いのシステムを導入したい - Pick up.
私の美容師ライフの7ルール
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店販を売る「ムード」が肝心
毎月コンスタントに30万円以上は販売していますが、シャンプーから美容家電までジャンルは様々です。基本的に「お客様の髪の問題解決」として提案するので、お客様1人ひとりの悩みを聞き出し、問題解決をサポートする力がとても重要です。とはいえカウンセリングにかけられる時間は限られているので、どんなに忙しくてもまずは技術を完璧に仕上げることが最大のアプローチポイント。お客様に喜んでいただいた後にプラスして店販のご提案をすることを心がけています。あらかじめそのお客様に必要な商品をセット面に用意しておき、施術中に商品をお見せしながらご説明します。
僕は店販には「ムード」があると思っています。お祭りに行ったらつい何か買ってしまうのにヒント得て、店販を売りたい時は自らお祭り感を出します。買うのが当たり前だよという雰囲気を作る感じです。アプローチする側のテンションを上げることが必要なので、大手通販番組を参考にしました。でもそれだけではダメ。お祭り感とは矛盾しているかもですが(笑)、成分や効果はしっかりご説明することが大事です。この商品にはこういう効能があってそれがしっかり作用することで髪の問題を解決していきます、というアプローチが大切です。僕は”髪のお医者さん”というイメージで、病院で薬を処方してもらうように今の髪の状態を改善する商品をおすすめしています。
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誰にでもアプローチする
チーム戦においても「ムード」が鍵になってきます。みんなが店販をたくさん売れるように、楽しく取り組むにはどうしたらいいかと考えた結果、分業制にしました。アシスタントはシャンプーだけを売るという感じです。こうすると売りたい物が絞られ、深い知識をお伝えできるので、あまり店販を売ることができないアシスタントでもしっかり結果を出すことができました。
いえ、普段買わない人や買いそうにない人、男性客や学生など、ほぼ全員にアプローチしています。単価の低いメニューを選びがちなお客様が店販を買わないということでもありません。こちら側が店販を買うお客様を決めつけてしまうとターゲットが狭まってしまうので、誰にでもご提案します。すると意外と買ってくださる方も結構いて、「この人は買わないな」と思い込まないようにしています。基本的にその人が抱えている問題を見つけ、その問題点を解決するために必要な物をご説明するというスタンスなので、買う、買わないの問題ではないのです。
「人は右耳から頼みごとをされるほうが、左耳から聞くよりも承諾する可能性が高い」という話を聞いたことがあり、それに基づいてお客様の右側に立ってアプローチするようにしています。また、商品の細かい成分まで全部説明するのではなく、「○○が入っているので○○の効果があり、アンチエイジングになりますよ」など、ピンポイントでわかりやすくご説明するようにしています。
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分割払いのシステムを導入したい
シャンプーとアウトバスがよく売れています。男性客にはワックスなどのスタイリング剤もよく売れています。
b-exさんの商品ですと、『ミリ』のソフトジェルが大人気です。質感をほどよく調整できるので使いやすいとお客様に好評です。男性でもちょっと長めの方はあまり固めたくない方が多いので、柔らかくてウェット感のあるソフトジェルは固まらずに適度なウェット感を出せるので男性にもよく売れています。
アシスタントの店販売上を伸ばしたい時は、セットアップを着てみて、とよく言っています。スーツだと硬い印象になり過ぎるのですが、セットアップだとおしゃれ感もありつつきちんと感も出るので説得力がある程度上がり、信頼されやすくなります。服装は重要ですのでお客様によって変える工夫が必要だと思います。
店販はお客様の問題解決になるのはもちろんですが、シンプルにお店の売上も上がるのでとても大事な要素。店販による客単価UPを意識した取り組みをこれからも続けていきたいと考えています。
今後は美容家電をもっと動かしていきたいのですが、そのために分割で支払いできるようにしたいと思っています。高い物だと20万円くらいする物もありますから、通販のように分割払いも選べるようにすると買いやすくなり、美容室の店販売上ももっと伸びるのではないかと思います。
7ルール
たとえば「世界一稼げる美容師になる」「何歳までに1億円稼ぐ美容師になる」など、現実とはかけ離れた目標を持つことにしています。人生は自分の思ったことに概ね比例するので、目標が大きいほうが可能性も広がるのではないかと。それを達成するための方法や視点も変えることができると思います。
情報を収集し、そしてなるべく早くアウトプットする、それが鮮度の高い美容室を保つ秘訣ではないでしょうか。多くの情報に触れてその中から必要なものを選択し、いち早くアウトプットすることを心がけています。情報源のほとんどはTwitterやInstagramで、あとはビジネス書やTVのニュースです。
平日は10:00オープンなので9:20が出社時間なのですが、僕は8:50にはサロンにいます。飛び込みでお客様が来ても、朝早くに当日予約の電話が鳴っても対応できるようにするためです。起きてから2時間くらい経つと脳が覚醒し、良いパフォーマンスができるので、その時間に合わせる意味もあります。
今日の予約の状況を、ちょっとした空き時間に毎日Instagramで発信しています。それを見て来店してくれるお客様もいるので、効果はあるのかなと。通常の予約もInstagramから集客サイトに飛んでできるようになっているので、僕のInstagramを見ることがお客様に浸透しているのかなと感じています。
年齢層が割と高めのお客様が多い日はきちっと感のあるきれい目な服装にし、ストリート寄りなファッションの方が多い日は、僕もストリート系のファッションにします。お客様に共感してもらいやすい服装を意識することが大事なので、ご予約のお客様に合わせた服装を選ぶようにしています。
とても基本的なことですが、ちゃんと食べるということは大事にしています。DHAやEPAを含んだ食事を摂って、頭が活発に動くように心がけています。仕事柄、お昼はなかなかしっかり時間を取って食事を取れないことが多いので、朝食と夕食は栄養バランスを考えてきちんと食べています。
これを毎日実践しています。ビジネス書を読んでいると瞑想を取り入れて成功された方も多いので、僕も瞑想の仕方をYouTubeで探してやっています。日頃のストレスをリセットして質の良い睡眠を取ることは、パフォーマンスを上げるためにとても重要なことだと思っています。
ただシャンプーするのではなく、しっかりした説明をすることが信頼につながると思いましたし、一生懸命さも伝わると思ったので毎回必ずお伝えしていました。すると「買ってみようかしら」と言ってくださる方が増え、デビューした時の顧客獲得にもつなげられました。アシスタントの給料を上げるには店販をしっかり売るしかないという側面もありましたが、結果的にスタイリストになってからも継続して店販を購入される方が多く、お客様の問題解決のために最適な物をおすすめするということはずっと続けています。お客様が年齢を重ねて白髪が出てきたり、乾燥しやすい時期など、髪質や季節に応じておすすめする商品も変えています。