テーマ:ブリーチ/ハイトーン
『Dimo&』代表 服部 大起
/Vol.10
「日本一ハイライトをしている美容師」が信条。
服部 大起 Hattori Daiki
Hattori Daiki
『Dimo&』代表。
1988年7月9日生まれ。神奈川県出身。
1992年2月13日生まれ。埼玉県出身。
国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。
都内1店舗を経て2020年『Dimo&』をオープン。
ハイライトを軸としたインスタによるセルフブランディングで幅広い年代層のお客様から高い支持を集める。
「日本一ハイライトをしている美容師」が信条。
1人のお客様とじっくり向き合うことの大切さを
実感したという服部さん。
ハイライトデザインの技術のみならず、お客様の心に響く施術とは…。
目次
- Topic1.
髪の状態を的確に見極め、傷ませないブリーチコントロールが大事 - Topic2.
Instagramでは、わかりやすいデザインカラーを投稿して集客につなげる - Topic3.
お客様の都合に合わせた営業時間と満足感を得られる施術内容が大事 - Pick up.
私の美容師ライフの7ルール
1
傷ませないブリーチコントロールが大事
ショートヘア、ブリーチを使わない透明感カラー、職場でも大丈夫なナチュラルなデザインカラーなど様々です。アシスタントもハイライトやブリーチ、カットなど専門的に特化したい分野がみんなそれぞれ異なります。そこはあえて違っていていいと考えていて、逆にみんな一緒にしたくないと思っているんです。後輩が先輩と同じ分野を追求しようとすると、後輩の子は光を浴びづらくなりますし、先輩との差別化がうまくできず、最初はよくても次第にお客様が来なくなってしまいます。なので先輩とは違う分野を自分の専門にしたほうが、たくさんのお客様を呼ぶことができると考えています。
元々、自分自身がハイライトをしてもらうのが好きでよくやっていたのですが、なかなか自分の思い通りにはならなくて。スタイリストになって自分でハイライトを施術するようになり、それがいかに難しいことなのかを実感して本格的にハイライトに力を注ぐようになりました。
髪質やダメージ具合など、髪の状態を見極めることがとても重要です。なるべく傷ませない、なおかつキレイにするにはどうしたらいいのかというのを常に考えています。日本人独特の赤味を消してしっかり色を抜き切ることが大切です。
特に大人世代の方は、バレイヤージュやハイライトに挑戦する方が増えています。白髪ぼかしにもなりますので、とても好評です。ここ数年のブリーチブームの影響もあり、社会全体がブリーチに対して寛容になってきているのを感じます。
2
デザインカラーを投稿して集客につなげる
そうですね。Instagramには特長的なカラーデザイン(バレイヤージュなど)を多く投稿して写真映えするようにしています。実際にはもっとナチュラルなハイライトデザインをされる方が多いのですが、「自分はハイライト美容師です」という”自己主張”をしながらしっかりセルフブランディングするためには、見る人にとってわかりやすい写真のほうがよいのではないかと思っています。
はい。うちはレセプションを置かずにスタイリスト各人が自分で予約管理をするようにしているのですが、予約はDM、LINE、電話、の順に多いです。スタッフはwebからの予約が中心になっていますが、僕個人で言えばInstagramがいちばん多いです。1人1人に返事をするのは大変ですが、来店される前にどんな風にしたいかなどお客様の想いを事前にお聞きすることができますし、なにより“DMの返信が忙しい”というのは喜ばしい悩みですよね。毎月100人くらいは新規のお客様が来られるのですが、なるべく1日中新規客だけにならないように予約を調整しています。
3
満足感を得られる施術内容が大事
コロナ禍になってから退職し、そこから3カ月だけフリーランスで美容師をやっていました。サロンに在籍していた頃からいつかは自分のお店を出したいと思っていたので、ずっとフリーランスを続ける気持ちはありませんでしたが、いざオープンしてみると不安な気持ちはありましたね。でも、たくさんのお客様が来店してくださり、僕を後押ししてくれたことは本当にうれしかったです。1日に施術できるお客様の数が限られるので、朝6時からお店を開け、夜勤明けの看護師さんや出勤前のOLさんなど様々な職業やライフスタイルの方に対応しようとがんばっていました。さすがに今は8時始業にしていますが、その気持ちは今も変わりません。
独立する前は1日に20人ハイライト施術することも珍しくなく、流れ作業でやっているつもりはまったくないのですが、1人のお客様にかかわれる時間が本当に少なくて…。お客様からは「もっとかかわってほしい」というお声をたくさん頂戴していました。ですので独立したら単価を少し上げ、人数を減らして内容を良くしたいと思っていたんです。シャンプーも自分でやっていたフリーランス時代は「シャンプーも服部さんがやるんですね」と言ってくれた方が大勢いて、1人のお客様とじっくり向き合うことの大切さを実感しました。今は専属のアシスタントを付けていますが、色々な経験を経て自分の理想の形にできたことは、僕にとってもお客様にとってもよかったのではないかと思っています。
スペシャリストをもっと拡充させていきたいです。その分野のカリスマ的なスタッフを育て、それに特化して出店できたらいいなと思っています。「あそこの店舗の○○さんの○○カラーは日本一!」というような、唯一無二の技術を提供できる店舗展開が理想です。
7ルール
どんなこともこだわることによって確実にいいものが生まれると思っています。僕はハイライトに異常にこだわっているのですが(笑)、たくさん調べて深堀りすることが大事。ブリーチにこだわる、カラー剤にこだわる…、など、とことんこだわり抜いていちばん良い解決法を見つけようとしています。
言っていいことは何もありません。もし、何か言いたいことがあるのなら、直接本人に言いましょうというのがモットーです。愚痴を言うと周りに影響してしまいますし、愚痴からは何も生まれません。問題があるのなら本人に言ってそれを解決し、解決できなくて自分に問題があるのなら我慢します。
僕は結婚しているので家族という意味での身内はもちろん大切ですが、スタッフも身内です。家族同然に大切なスタッフも含め、いつも僕を応援し、味方でいてくれる身内を大切にしたいと思っています。広く浅く人とお付き合いするというより、狭く深く付き合い、その関係性を大事にしたいです。
トレンドでもあるのかなと思いますが、朝活のような感じです。夜遅くに仕事をするというより、朝のほうが集中力も高いので、スタッフもみんな早く来て早めに帰る人が多いです。僕も毎朝6時に起きて規則正しい生活をし、ルーティンを守って高いパフォーマンスを維持できるように努めています。
僕は美容師ですが、くくりとしてはアスリートというくらいの気持ちで体調管理には気を配っています。健康でないといいスタイルはつくれません。体が健康なら心も健康になれます。僕はお弁当を持参していますが、スタッフにはお店からお弁当を支給して、空き時間に食べてもらうようにしています。
どんなこともプラスに考えてないと、やっていけないと思っています。マイナスなことを考えていても始まりません。コロナ禍で不安もありますが、くよくよばかりしていると体調も悪くなりがちです。常に明るくポジティブでいることは、お客様に対しても必要なことだと考えています。
mop(モップ)は愛犬の名前です。うちは犬を連れて来店してもOK。犬の待機場所をきちんと確保し、犬が苦手なお客様と同じ空間にならないよう配慮しています(3フロアあるので、しっかり分けられる)。mopはうちのシンボルのような存在で、オリジナルTシャツにも描かれています。
「各ジャンルのスペシャリストが最高の技術を提供してお客様を幸せにする」ことをモットーとしています。お客様層は10代から60、70代まで幅広いです。最初はスタイリスト3人でスタートしましたが、今スタイリスト4人、アシスタント5人の計9人になりました。